輪島の食

輪島ふぐ

輪島港にはマフグをはじめ、ゴマフグやトラフグなど豊富な種類の天然ふぐが水揚げされています。輪島市は2011年から5年連続で水揚げ1位を記録、17、18年にも日本一となっています。この「輪島ふぐ」の料理を楽しんで頂こうと、「天然ふぐ漁獲量日本一 輪島」と記された懸垂幕や、のぼりを掲げ、輪島ふぐ料理を提供する飲食店や宿泊施設の情報発信に努めています。税込3,300円で輪島ふぐの料理が3品以上(その他を合わせ5品以上)提供され、各店の特徴ある料理を楽しめる統一料金コースのお店もありますし、単品メニューを提供するお店や宿泊施設もあります。

輪島の地酒

奥能登の杜氏は能登杜氏と称され日本三大杜氏の一つです。雪国石川では、雪解けの伏流水が酒造りでも活用されていますが、能登地区では、濃醇・甘口を生む軟水が良く活用されて来ました。輪島は、中世の廻船式目において三津七湊(さんしんしちそう)の一つに数えられる主要港湾の一つで、輪島の酒も北前船により盛んに運ばれております。輪島には現在5つの酒蔵があります。清水酒造(能登誉、千枚田)、日吉酒造(白駒)、白藤酒造(白菊)、中島酒造(末廣)、中野酒造(亀泉)です。地酒は土地の食材を引き立て、旅の楽しみを深めます。輪島塗の器の美しさとのコラボによる華やかな宴席の楽しみも輪島ならではのものです。「輪島の地酒及び輪島塗の器による乾杯を推進する条例」も制定されています。

いしる

「いしる」は、魚介類に食塩を加えて漬け込み、醗酵させることで出来る魚醤です。奥能登の地域によっては、「いしり」「よしる」「よしり」などの別名があります。いかにも海のミネラルを感じさせる、その芳醇な味は輪島の郷土料理には欠かせません。従来、「いわし」と「いか」が主な素材でしたが、現在は「さば」や「めぎす」からもつくられています。仕込みは、11月から翌年3月の寒い時期にかけて行われ、時々攪拌しながら桶の中で1〜2年間熟成させます。輪島では「いしる」研究会があり、「いしる」を使う新しい料理や商品の研究も行われています。

すいぜん

「すいぜん」とは、テングサを煮て餅米の粉を入れ、折に流して固めたものです。輪島独特の精進料理の一つで、厚さ3ミリ、幅2センチほどの短冊状に突き出し、輪島塗の器に、菊水、きんちゃく、輪花(りんか)など、思い思いの意匠で盛りつけられ刺身がわりに食されます。見た目は白っぽいトコロテンのようですが、すりごまに味噌と黒砂糖を加えたごまだれをつけながら食べると、寒天にはないコシの強さと、テングサ独特の風味が味わえます。中世の輪島に旅の僧が伝えたとも言われ、その上品な味は町の人々に好まれ今日に伝わっています。

輪島のお菓子

曹洞宗大本山總持寺祖院の「五院輪住制」(全国の末寺が交代制で本山の住職を務める。)や輪島塗の行商、また北前船の交易によって各地の文化、風物詩が伝わった輪島では「おもてなし」としてお菓子は大切にされています。代表的なものとして「ゆべし」と「水ようかん」をご紹介します。

「丸柚餅子」

源平の時代に生まれたとも伝えられ、お菓子と言うより保存食、携帯食に近いものでした。柚子の実の上部を切り取り、そこから中身をくり抜いて柚釜を作り、そこに柚子皮、餅米粉、砂糖などを混ぜたものを入れて蒸したものです。

「水ようかん」

夏の和菓子として知られる水羊羹ですが、輪島では冬の味覚として親しまれています。冬に水羊羹を作るのは、能登でも輪島の旧市街地だけです。11月中旬頃から春のお彼岸頃まで店頭に並びます。食感が柔らかくて口どけがよく、甘さもさっぱりとしています。型に漆器を使い水ようかんの表面が滑らかに仕上がります。炬燵(こたつ)に水ようかんは輪島の冬の風物詩です。

ページのトップへ戻る